弥恵の「からだのかみさま」

東京→京都に移住したライター・弥恵(やえ)の日記です

やえちゃんのこときらいやってん

幼稚園のころ、クラスにちょっと派手で気の強い女子がいて、私はその子に嫌われてた。というか、引っ越しで園を去ることをみんなに知らせた数日後に突然呼び出されて

 

「うちやえちゃんのこと嫌っててん。ほんまごめんな」

 

って謝られて、その時私ははじめて「嫌われてたんだ??」って気づいたのだった。

 

その後、小・中・高・大と、この手の出来事がよく起こるのだった。中高大では、クラスで気の強いリーダーっぽい男の子から(同じクラスのときもあったし他クラスのときもあった)、「なんかやえって気に入らねえ」的な態度をとられ、さすがに思春期にもなると「嫌われてんなあ??」とこっちも気づく。

 

相手も、目立って嫌がらせとかしてこなくて、ただもうひたすら態度に出してくる。例えば聞こえる声で文句言ってきたりとか、私がその場にいると避けて入ってこないとか。お互いの周りにいる共通の友人らは私とも相手とも仲がいいので、あくまでサシでなんだけど、周りも微妙な気まずさがあったろうなと思う。

 

私はというと、別に相手のことが嫌いじゃないので(嫌われてるからには別に好きでもないんだけど)、どう反応していいのかわからない。だから気まずいなあと想いながら、微妙に避けたり、避けなかったりを繰り返してた。おまけに嫌われる理由がよくわからないのだ。なにか気に触ることをして、謝ればすむのなら話は早いんだけど、どうも本人すら「なんでこんなむかつくんだろう??」と自覚もないままに、私のことが嫌い、みたいなところがあった。

 

ただ「なんで私はこの手の人に嫌われんのかな〜」と、さすがに堪えるものはあった。他の女子には普通なのに、私のことは無視したり。傷つくというより、「なんで?」って感じだった。でも「なんで?」って聞くほどの勇気はなかった。「なんでかなあ?」とくよくよするくらいの時間は、もっと他の、恋とか恋とかそっちに気をとられてたから、だんだん「なんか凹むけど。。。まあいいや」になっていってたんだと思う。

 

で、なぜかある日突然、「嫌っててごめん」と謝られるのがお決まりのパターンなのだった。一番よく覚えてるのは、年賀状で長文で謝られたときだった。クラスでとても目立つ男の子で、彼も私もだいたい同じメンバーでつるんでて、1年くらいずっと気まずかった。だから、年賀状がきたとき、やっと気が楽になった。

 

そしておとなになったいま振り返ると、しんどいのは相手だったんだろうなあと思う。誰かのことを嫌うって、恋愛と同じくらいのエネルギーを相手に使うから。そんでもって「嫌い」って感情は、たいていは本人が最も見たくない感情の裏返しだから。見たくもない感情を、やたらに起こしやがるのが私だったんだろうな。

 

ただ面白いのは、それを謝ってくる律儀さだよね。本人的には、わけもわからず嫌ってしまう罪悪感から逃れたくて謝ってくれるんだと思うんだけど、こっちの本音としては「嫌いだったとか知らせなくていいんだけど」って気分がある。笑 もっというと、「嫌いな相手に、ストレス与えといてなに甘えてんの?」なんだよな。嫌いなら、その本分をまっとうせい、そして湧き上がる罪悪感をまっとうせい、ちゃんと自分ひとりで、と思うんだよ。

 

つまり、人を嫌うことを、せいせいどうどう楽しめよ、と言いたかったんだよな、あのころの私は。嫌うってことは、罪悪感とか見たくもない自分とか、攻撃したいとかそのリスクとか、いろんな重たい感情のフルーツポンチなわけじゃん。そのポンチを全部おいしく平らげろよ、と思うの。それを食べたくて仕方ないのは、自分自身なんだからと思うのよね。

 

それを、「人を嫌うのはいけないことだ」みたいな、社会性のなかで培われた”こうあるべき自分ルール”みたいなのに縛られてしんどくなって、「人を嫌う自分から降りる」みたいなこと、ましてや嫌ってた相手の懐を借りて、するんじゃないよって、思うのよね。

 

わけのわからない感情を、もっと自分で見ろよ、と、思ったりもするわけなのだ。

 

だからもう、私に向かってくるいらいらを、自分の感情として認めることもせず、雑に懐を借りにくる相手には、一定の距離を置くんだよね。ある程度繰り返してきたから、もう起きることって見当がついてるし、そういうやつが私は嫌いだから。

 

だからあのとき、多分私は、

 

「私のこと嫌いだったんだ。でもそうやって謝ってくるあなたのこと、私はいま嫌いになったよ」

 

って、ほんとは言いたかったんだよな。って、あのころのもやもやを整理できるようになったいま思う。頭でどんなに「この子にとってもきっと」なんて母性っぽく想像できたって、私はいわれもないストレスにさらされるのはまっぴらごめんだったんだ。

 

人を嫌うなら、嫌いで仕方がない気持ちを抱えてる自分から逃げないこと、ってのが最低限の流儀だよね。

 

追記:この記事のつづきをyoutubeでおしゃべりしてます(地味にようつべでびゅーや!)

 

「痛みは時間軸を超える、の巻」 https://youtu.be/eYEt0lb69tc

 

f:id:yaeyaeyae88:20200217144903j:plain

写真は、アイスランド😍もう一度行きたい場所なんばーわん!