弥恵の「からだのかみさま」

東京→京都に移住したライター・弥恵(やえ)の日記です

人が暮らした歴史の浅い土地 1000年後のアイスランド⑵

 

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アイスランド空港の出口の壁。スコットが撮ったやつ

アイスランド1周めぐり、2週間の旅。メンバーは私、夫、スコット(日本人)の三人です>

 

レンタカーを借りて、夫の運転でアイスランドの大地を走った。さすが火山島だ。見渡す限り真っ黒な岩に、雪がかぶさっている。大地が若い。おまけにヨーロッパのなかでは、最後に人が入植した国らしい。なんと言うか、自然が人間の存在などそっちのけで隆々と息づいている。車の窓を下げた瞬間、強い風が吹き込んだ。うっすらと硫黄の香りがした。人が住んだ歴史の浅い土地特有の、循環の力強さ。

 

そんなことをうつらうつら考えていると、ロータリーに出る。アイスランドは信号が極めて少なく、代わりにロータリーが多い。円に近づいたら減速して(ないし一時停止)、車が来なければ円に入り、行きたい街をさす標識の方角へ抜ける。夫のハンドルを持つ手が、かすかに力んでいる。移動疲れの身に慣れないドライブは、さぞしんどいだろう。それでも文句ひとつ口にしない。しかしそれを気遣う余裕は、今の私には皆無。スコットはグーグルマップでアテンド。地図を確かめ、良き妻のように寄り添っている。なんと言うか、スコットはその場の「足りないもの」を自然と埋める男だ。私たちは首都・レイキャビクを目指した。私はめまいがし、シートに頭を倒した。

 

車はレイキャビク郊外のゲストハウスに停車。予約は事前にAirbnbで。3階建ての一軒家だが、ドアを開けると各階にバスルームがあり、個室がある。二人は荷物を次々に運んでくれる。私はベッドに倒れ込み、予定していた初日ディナーは二人で行ってもらうことにした。しかし、どういうわけか寝付けない。身体中の細胞がざわざわうるさい。耳をすますと「この島、強い!強い!」となにやら大混乱。身体が馴染むのに時間がかかるようだ。

 

1時間もすると、二人が帰ってきた。もはや半泣きで、ベッドを通りかかったスコットに「スーツケースから冷えピタ出して」と頼む。夫もスコットも気にかけてくれているようで、声が優しい。夫が「弥恵ちゃん昨日はごめんね、休んでね」とか細い声で、額に手をおいた。ホッとした。眠れないほど身体が興奮してるのは、土地の洗礼みたいなものか、と半ば降参した気持ちになると、ひたいがすっと冷え、やっと眠りに落ちた。

 

起きると、外はまだ暗かった。けれど6時間以上は眠れたらしい。ぼうっとしているが、体が軽い。スコットに「もう大丈夫、ありがとう」と言うと、「よかった、今日から楽しみましょう」と笑う。本当にいいひとだ。調子が戻った途端、「私は、二人に甘えたんだな、感情をあらわにできるのは、甘えていいと何処かで考えたからだ」と思った。

 

夫は、PCを立ち上げ日本にいる仕事仲間とビデオ会議をしている。身体を起こしてキッチンへ行くと、ダイニングテーブルでスコットも仕事中。そう、今回の旅は2週間もあるので、旅中のうち数日は、仕事日を設けている。と言っても時差はマイナス9時間だから、アイスランド時間4—13時がオンタイム。時差を活用すれば、旅と仕事の両立も難しいことではない。

 

ちなみに私は、期間中に取材等を入れず、1月のうちに全ての原稿を仕上げ、関係各所には「アイスランドに没頭したいのでメールは見ない。そのぶんVersion upしてI'll be back!」と連絡済み。旅に出るたび感性が開くから、間接的でも仕事に貢献できるのは本当なんだよね。それを理解してくれるビジネスパートナーに恵まれている。

 

日本から持ってきた味噌汁グッズを取り出し、慣れない北欧キッチンで味噌汁づくり。具は、乾燥海藻類や乾燥きのこ類。アイスランドは物価が高い。世界2位。外食ですら、昨晩二人でホットドックを食べて1000円したらしい。レストランで食べると3000円はくだらない。なので、ほとんど自炊するつもりで、可能な限りの食材を持ち込んでいる。

 

それにしてもオール電化は好きじゃない。火を見てないと、料理してる実感がない。いつの間にかお湯が沸騰していて、慌てて切スイッチを押すが、ガスのようにすぐに冷めない。ティーポットの横に、トースターがあった。昨晩のうちに、夫とスコットが買ってきたパンを焼く。ライ麦みたいな色でで700円。たっか。バターは、あらかじめ「よつばの発酵バター(最強美味しい)」を持ち込んだ。二人はよく食べた。よく食べる人を見ると、頼もしさを感じる。二人がいるなら、旅は頼もしい。であれば私にできることは、食事による彼らの健康管理か、と思い至る。

 

さて、旅の始まりだ。昨日までの全てが夢の中の出来事のようだ。8時になっても日が昇らないが、それでも外へ出た。レンタカーはオレンジのXトレイル。運転してみると、堅牢性がそのまま走っている感じ。岩に囲まれているような。私たちははじめ国道の喫茶店を目指したが、(仕事のため)、思ったよりチェーン店だったので中心街を目指した。

 

 

。。。どうしよう〜書くのが楽しすぎて全然話が前に進まない。予定では、レイキャビク中心街について書くつもりだったのに。今日はここまでかー。

 

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1枚目は、宿の近くにあった教会。朝方のせいか鍵が閉まってた。2枚目は、レンタカーから見た景色