弥恵の「からだのかみさま」

東京→京都に移住したライター・弥恵(やえ)の日記です

震度5弱の共通体験

夫と四国旅から帰ってきたばかりで、テン泊登山での筋肉痛やらなんやらで眠たい朝だった。縦揺れで起きた。でもすぐ、これはおさまる、と思った。多分一度でも被災したことのある人ならわかると思うんだけど、震度6以上の揺れがあった地域ではその後何ヶ月も日常的な余震を体験することになるので、勘で揺れの規模がわかるようになる。それでいて冷静さが身につく。

テレビをつけたら、大阪で震度6弱、ちょうど昨日車で通ったあたりだった。京都は震度5弱。以前、京都で仲良くなった人が「震度3以上を経験したことがない」と言っていたのを思い出す。

今日は今日とて、友人のライブに行くため、伊勢市へ向かう予定だった。さらに翌日はみんなで名古屋へ行く。でも、京都からの交通網はみんなストップしてる。夕方ごろには動くかな、と様子を見ていたら近鉄が動いたらしい。公式サイトでは1時間おきにしか情報が更新されないので、リアルタイム検索でTwitterからの情報を調べる。つくづく災害時は役に立つ。みんな口々に「近鉄は強い」と呟いてる。東京でいう「小田急は弱い」とかそんなノリかな、とスクロールして行く。

迷っていると、夫が「そういう時は体を動かしちゃって、納得するようにしたほうがいいよ。とりあえず京都駅で様子を見てみよう。送るし」というので、一緒に京都駅へ。15時半。近所のバス停で、高校生が今朝の地震についてTwitterからの情報を噂しあっている。突然歓声が湧いたので何かと思ったら、塾がお休みになったらしく、「待って待ってやばい! ぎゃー」と、1万円でも拾ったかのようなノリで喜んでいる。

道路が空いている。いつもは混むはずの四条あたりでもバスはスイスイ動いていく。京都駅はカオスだった。足止めを食らった修学旅行生や観光客が座り込んでいて、みどりの窓口は長蛇の列。何より、メガネが曇っているわけでもないのに、粉が舞っているかのように視界が白い。夫に手を引かれて、人と人の網目をくぐる。なんでだろう、だんだん自分が行きたいのかがよくわからなくなってくる。というか、今は家を離れるべきではないかも、と当たり前のことに思い至る。

伊勢志摩ライナーは終日運休、急行は動いているけど、JRが動かないので人がこっちに集中してしまっていて、まるでラッシュの山手線。なんだか気が済んでしまった。ついてきてくれた夫に寿司を奢って、そのままカフェへ。伊勢の友人に連絡すると、ライブに参加する予定だったアーティストも神戸から出られないらしいという。

カフェの店内でもみんな地震の話。鴨川では何事もなかったようにみんな憩ってる。実際、テレビでも見てないと、何事もあったような気がしない。でも水面下でみんなの中に共通の「地震」という言葉があって、すれ違うお互いの境界線が、いつもより溶けてしまっているような気持ちになる。テラスから川の流れを聞いていると、その全てから切り離された気がして、なんだかホッとした。