弥恵の「からだのかみさま」

東京→京都に移住したライター・弥恵(やえ)の日記です

顔が変態するとき

このところは夫の方が起きるのが早い。今朝は小松菜とお豆腐、あらめの味噌汁がすでに作られていて、寝ぼけながらそれらをいただいた。天気予報では、午後から雨。新月。ああ、だからこんなに眠いのかしら。勢いよく着替えて、洗濯物をさっさと干して、床を磨いていると、傍で夫が掃除機の修理にかかっている。

我が家はどうも掃除機運がない。そんなものがあるのか知らんけど、初代のココロボ(SHARP版ルンバね)は相性が合わず、その反省から購入したハンドタイプの掃除機は、最新型なのにすぐに吸い込みが悪くなった。おかげでホウキと雑巾掛けが欠かせない。いい運動にはなるけれど。

仕事を始めるのはだいたい10時前後。通話中の夫の横でメールチェックをしながら、今日は急ぎの作業もなさそうだなと、窓の外に目をやる。借りてきた本を一気に読んでしまうか、日記でもまとめるか、それとも雨が降る前に、運動でもしてこようか。

眠い。低気圧のせいか、昨晩は10時間も眠ったのにまだ眠い。こういうときは頭が回らないので、ひたすら動くに限る。チャリザベスを走らせ、何と無く上賀茂神社を目指す。山肌に触れたい思いがあった。

いつもと違う道を進むと、突き当りに朱い鳥居と鬱蒼とした森。そのまま標高200mもなさそうな小山が続く。どうやら上賀茂神社の摂社で、アメノウズメを祀った太田神社という。案内板に「賀茂の地では最も古い」とある。どうも改装中らしいのを、参拝後に立ち寄った社務所で聞くと、「修繕中です」と訂正された。

なぜだか山の方が気になった。チャリザベスは電動式なので、多少の坂ではびくともしない。神社横の坂をグイグイ進むと、民家の脇にけもの道が続く。「太田の小径」とある。チャリザを止めて歩いてみる。林の中を歩くとすぐに分岐があった。正面はゴルフ場に続き、右手は太田神社後ろの小山へ、左手には上賀茂神社の裏山へ続くのらしい。

これはいいハイキングコースを見つけた、と、ふとストレッチ性の高いパンツにスニーカー、パタゴニアのフリースにウインドブレーカーと、思いっきりアウトドアルックな自分の出で立ちにハッとする。朝、無意識に着替えてた。頭が働かないってすごい。行動だけは欲求に向かってまっしぐらだ。

なんてことはない、右手に曲がって急坂を10分も登れば山頂だった。鬱蒼とした森の一角が開けて、眼下に京都市街が広がる。流石に地理がまだよくわからないけど、見えているのが東山方面で、あのとんがってるのが比叡山、その奥が多分大文字山

あとはわからない。丘程度の高さからだと、流石に川の流れまでは俯瞰できない。あの街のどこかにうちのウサギと夫がいる。

それにしてもまだ胸が窮屈だ。なまったなあ。最後に山を登ったのは、秋の終わりに夫を連れてった金時山だったか。今年はスキーもせず、雪山も結局いけなかった。よほどのストレスがかからないと、雪山に行こうとは思えなくなってきた。あれはほとんど「反動」だった。

さて、とっとと上賀茂でも行って、有機野菜が並ぶ角の八百屋でたけのこでも買って帰ろう。なんだか文章をまとめたくなってきた。サクサクと山道を降りて行くと、どんどん脳が活性していくのがわかる。久しぶりの快感に思わず声を出して笑ってしまう。

気づいたら走っている。木の根と岩と土のちょうどいいところにつま先を置く。目線はずっと先。猿になった気分。ああ、山を走ってると私だなあ、私がいるなあ。こういうときの顔は誰にも見せられない。多分すごく変態な顔してる。 [caption id="attachment_2134" width="2765"]DSCF6259 いつかの木曽駒ケ岳…ううん、登山したくなってきた[/caption]