弥恵の「からだのかみさま」

東京→京都に移住したライター・弥恵(やえ)の日記です

お月さまとぽこちゃん

窓の外にみかん色の満月が、東山の向こうから登ってくるのが見えた。「いま琵琶湖あたり、きれいだろうねえ」なんていいながら、夫と夜の散歩に出た。オンラインで一通り仕事を終えたばかりの夫は、しゃべるのも早いし歩くのも早い。 私は先日、散歩中に土手…

差別の気持ちは誰もが持っている

現代を生きていて、 差別に加担せず生きている人なんていないと思う。どんなに素敵な友人や尊敬する人を思い浮かべても、 やっぱり一人も見当たらない。 私自身が、そうであるように。 例えば普段から愛に満ちた人が、SNSのタイムラインに「差別をやめようよ…

世界のすべてが見えるまで

たんぽぽ、よもぎ、しゃく、なずな、どくだみ。 早朝の誰もいない神社でお参りして、帰り道に何かしらつんで帰る。今朝はしゃくを味噌汁にいれて、もう半分をどっさりうさぎのぽこちゃんにあげた。二人と一匹、同じ朝ごはんをいただく。 窓から入る光が白い…

からだのかみさま

毎日スケッチやクロッキーをするようになったら、 2ヶ月で少しは描きやすくなってきた。 一度書いた小説のあのシーンやあのシーンを絵で描けるように、 もっともっとイメージを形にできるようになりたい。 散歩が楽しい。 何を描こうか、眺める世界のなかで…

やえちゃんのこときらいやってん

幼稚園のころ、クラスにちょっと派手で気の強い女子がいて、私はその子に嫌われてた。というか、引っ越しで園を去ることをみんなに知らせた数日後に突然呼び出されて 「うちやえちゃんのこと嫌っててん。ほんまごめんな」 って謝られて、その時私ははじめて…

父の死と再生と

父が亡くなったとの知らせを突然受けてから、怒濤の日々が過ぎていった。今日でやっと10日目になる。長い。すでに1ヶ月が経ったような気がしてびっくりする。 この間、私は父と、自分自身と、ひたすら向き合い続けていた。まず悲しみや別離の痛みと向き合い…

オリンピックの年までに東京を出ると決めていたこと

上京する直前、受験生だった私は中越地震で被災した。3度の直下型地震。たまたまお風呂に入っていたので、慌ててタオルで身体をふいて、なぜか英単語帳と化粧ポーチを持って外へ出た。2度めの大揺れがきて、アパートがプリンみたいにぐにゃぐにゃにしなった…

2019年総括ベイビー

年末年始にかけて一週間ほど、熊野にてキャンプ中。1月にも熊野でテント張って、5月は丸一ヶ月キャンプしてた。なんたって温泉がいい。どこもかしこも源泉かけ流し。冬は川を掘り起こした無料の巨大野天風呂まである。本州最南端だけあって冬でも温かい。那…

明るいとか暗いとかそんな単純じゃなくて

アメリカから帰国後、しばし新潟に滞在中。雪が降ってきた。紅葉がまだ終わりきらない山の上におしろいが振られて、光に照らされてとてもきれいで、毎日温泉に使って身体を癒やしながら、見惚れていた。 家にはネットがないので、仕事以外ではオフライン状態…

「途方もない懐かしさ」の正体

いってえなあ。 できればもう感動したくない。感動ってしんどい。 感動すると、胸の真ん中にある真っ赤な水風船が刺激されるとバンと弾けて、中から真っ赤な液体がドロドロ出てくる。溢れた感情が肝臓を痺れさせ、消化が追いつかずに今度は肺を上がってくる…

モクレン

今朝は山鳩が口笛する声で目が覚めた。一瞬、自分の体が山の中にでもあるのかと思った。台風が近づいているのか、風が湿っぽい。レースのカーテンが膨らんでしぼむ。ベランダの外いっぱいに茂る木蓮は、天に引っ張られているみたいにまっすぐ枝を伸ばしてい…

依存するのは悪いこと?

ふと思い出して「SEX AND THE CITY」を見返していた。大学生のころ、家の中が静かなことに慣れなくて、趣味と呼べるものも見つからなくて、寂しさを埋めるためによく観てた。今思えば、生きてること自体が不安!みたいだった当時の私にとって、キャリーたち…

生活から生えてくるアイデア

鈴虫にはいったい何種類いるんだろう。新潟では盆明けには鈴虫が鳴いていたけど、京都に帰ってきたらそもそも音色が違う。少なくとも平安京の人々が聞いていたのはこの音色なのかもしれない。こないだは満月がよく見えた。夫がベッドの位置を窓際に変えたの…

トランスからの自立

朝起きたら、どんなに面倒でも外へ出て、山辺の道を散歩した。神社で一人、深呼吸して、うろ覚えのラジオ体操して、杉の林の腐葉土に裸足を沈めて、「今日も文字通り地に足つけテイル、ワタシ」としっかり確認して家に帰る。もう毎朝納豆ご飯。ニュース見な…

あおり運転のニュースを見て

去年中古の車を買ったとき、よく行ってる神社で車祓いをした。京都ではしょっちゅうどこかしらの神社やお寺の守りステッカーを貼ってる車を見てたから、なんとなくやっておこう、それくらいの気分で。 お祓いが済んだ後、振り返った禰宜さんが、「最近はあお…